モーツアルトのアンサンブルをすべての作品で楽しもう♪

使用楽器について

ヴァイオリンと木・金管楽器
  
現在と、いわゆる古楽器の時代におけるヴァイオリンの違いはブリッジやネックの構造、ピッチの違い等いろいろあります。ここでは決定的な違いとして張られている弦について述べたいと思います。古楽器の時代つまりモーツアルトやベートーベンが生きた時代はガット弦と呼ばれる羊の腸を加工したものが主流でした。欠点は湿気で伸び縮みしやすく頻繁にチューニングが必要、そのうえ耐久性が低いときています。そのためガット弦に色んな金属を薄く巻き込むことで、音量と音の厚みが増し、より豊かな音が出るように改良されてきました。弓の形状においてもモダン楽器は弓先から弓元までほぼ一定の音量を保つことができるのに対し、古楽器は弓の中央部が当たった時一番大きな音量が得られます。確かに裸のままのガット弦は現在のコーティングされた弦に比べ劣る点が多いです。しかしガット弦のような透明な音は出ません。演奏技法においても大きな違いがあります。現在の弦楽器で必ずと言っていいほど使われるビブラート、当時はオーケストラより目立たなくてはいけない協奏曲の独奏楽器など、特別な場合でないと使われませんでした。だから古楽器で編成されたオーケストラで当時の演奏を再現するならば、ヴァイオリン協奏曲などの独奏者を除き、ビブラートは使ってはいけないのです。そこで、ビブラートの良し悪しが演奏の良し悪しとなってしまう時代に逆行するように注目され始めたのが古楽器編成のオーケストラや室内合奏団。弦楽器だけでなく木管楽器や金管楽器も当時のものを使用しているので、いつものように見慣れたバルブが一切付いていません。このサイトではこれらの点を聞き比べたりできるようYouTubeで演奏を集めてみました。因みに弦楽器のビブラートをヴォーカルに置き換えるとヴァイブレーション唱法です。こちらもあらゆる分野で活躍し、歌の上手い下手を決めてしまうようです。今ではなくてはならない唱法と言えるかもしれないですね。
 
 
ピアノとフォルテピアノ(ハンマーフリューゲル)
モーツアルト(1756~1791年)が生きた時代に使われていたピアノは誕生したばかりのピアノ。ご承知の通りバロック音楽に欠かせないチェンバロは鍵盤を押すと自動的に弦を引っかく構造となっています。そのため鍵盤を強く叩こうが弱く押そうが同じ音量の音しか出ません。そこで引っかくのではなく弦を叩くように改造し、指から伝わる強弱を反映できるようにした楽器が考案されました。それが今のピアノの全身となるものです。命名もそのまま、強い音から弱い音まで出せるので音楽用語のフォルテとピアノからとってフォルテピアノまたはピアノフォルテとなりました。その後フォルテが取れてピアノと呼ばれるようになります。ドイツでは鳥の羽の形に似て弦を叩くのでハンマーフリューゲルと呼ばれていました。一般的にはフォルテピアノという楽器名が定着しつつあるようです。ところでフォルテピアノは、現在のピアノに比べると鍵盤数も少なく音量も小さいです。一つ一つの音がうまく分離せずビビったりして濁りがちで透明な音が出ません。それでも彼は多くのピアノ関連の作品を残しています。以前はこの楽器を演奏したいと思っても、博物館所蔵の壊れて演奏できなくなったものを、レプリカとしてピアノ職人に製作依頼しなければならず、そこまでして多額の費用をかけわざわざ性能の低い楽器を演奏するピアニストはあまりいませんでした。そのため一部のモーツアルトマニアの間でのみ持てはやされて来たと言えるかも知れません。近年イギリスの指揮者兼ピアニスト兼古楽研究者として名高いクリストファー・ホグウッドの貢献も手伝って、フォルテピアノはとても注目されるようになりました。やはりモーツアルトを聴くなら一度はこの楽器を聴いておくべきではないかと思いこのサイトではピアノとフォルテピアノを聞き比べることができるようYouTubeで演奏を集めてみました。

アンサンブル

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